うんブロ。

いつか誰かの目にとまるかもしれない。今までの奇妙な出来事を書き記しておこう。

「ラグとオンラインと私」を読んだ感想

黒黒さんのブログを読んで、補足エントリを書きました。 kurokurotekken.com

テレビ・モニタの遅延について
  • 英語では "input lag" などという言い方をしますが、映像の入力を受けてから画面に表示されるまでの時間です。 自分のディスプレイがどれくらい遅延しているかは "モニタの型番 + input lag" などでググると海外レビューの検証結果が出てきます。 スペースの都合などでモニタは置けずテレビでやりたい場合には REGZA を選べば無難でしょう。ゲームモードにすれば 0.05 フレームの遅延で済むのでそのへんのモニタや、ゲーミングモニタよりもよく出来ています。 ただモデルやサイズによって若干異なってくるのでメーカー公式サイトを確認しましょう。
NURO, au 光である必要はなく、v6 プラスなどの IPoE でもよい。共有タイプは無理がある
  • 戸建て向けプランかなんかで、要は自宅のベランダまで光ファイバーを新規で引いてもらえれば OK です。
  • NURO の場合、マンションでも 7F 以下に住んでいるなら戸建てプランで契約可能なので、賃貸の場合は管理会社さえ許可が下りれば契約可能です。
  • IPv4 PPPoE が問題なのであり、フレッツやソフトバンクでも v6 プラス (IPoE) に対応していればボトルネックは発生しにくいです。NURO や au 光が速いといわれるのは PPPoE を使用していないから。
  • NURO や au は NTT とは異なり専用のファイバを使用している (※) ということもあり、すでに会員が多い NTT より空いているので優位性は高いかと思いますが、NTT 系の IPoE でも深夜クソ遅くなるみたいな減少はほとんど発生しないはず。
  • 戸建てプランだとしても PPPoE はクソなのでやめましょう。
  • ただし IPoE タイプの接続は原理的にポート開放が必要なゲームに対応できないので注意が必要です。

  • ※ NTT が使ってないファイバを借りて事業しているイメージ。au はもともと自前でファイバーを持っている気がした

  • v6 プラスの IPoE でオンラインゲームをやってみたという記事が Impress にあります。 game.watch.impress.co.jp

WiMAX は避ける。テザリングは論外
  • 下り最大 440Mbps という謳い文句がありますが、速さが重要ではないのです。安定性が重要。 WiMAX は原理的に無線と同じなので、光ファイバーを物理的に引く回線と比較して安定性はよくないですし、遅延も増えてしまいます。
ルータのファイアウォール機能を切るとゲームには効果的 ((※個人的な意見。自己責任で)
  • ファイアウォール機能というのがありますが、これは通信を見てセキュリティ的によろしくないものは叩き落とすなど、なにかしらの処理をするというものです。 当然有効になっているとルータに負荷がかかるので、結果としてパケットの転送能力が低下してゲームの通信に影響が出る可能性があります。 基本的に NAT が有効になっていればセキュリティ対策としては十分なのでオフにしましょう。 IPoE など IPv6 を使用している場合はオフにしないほうが良いですが、PC にウィルス対策ソフトなどが入っているならオフにしてもいいと思います。
LAN ケーブルは Cat5e ~ Cat6A の単線のもの、Cat7, 8 や STP は避けたほうがよい
  • 1Gbps の回線なら Cat5e でも十分ですが、付属品であるようなしょぼいケーブルは品質が悪いので捨てましょう。
  • 重要なのは必要最低限の長さで使用すること、コードをまとめて束ねたりしないことです。電源ケーブルや LAN ケーブル複数本を一緒に束ねたりすることも本当はノイズを拾うので良くないです。 フラットや極細タイプのものはノイズの影響を受けやすいなどとは言われますが、よほど品質が悪い場合をのぞいて 1,2m 程度であれば特に問題になりません。
  • 10GBASE-T 対応機器が家にない限り CAT7,8 は不要です。シールド処理された STP ケーブルはアース接地していなければノイズを拾うリスクもあるのでおすすめしません。

  • 単線の UTP ケーブルがベストな選択肢で、個人的にはパンドウィットの LAN ケーブルをおすすめしています。これはデータセンターなど業務用で使われる品質のものです。爪が折れにくい加工もしてありプロ感満載です。

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スピードテストを過信しない (重要なのは速度ではなく ping 値)
  • 配信する場合はアップロード速度が 20Mbps くらい必要ですが、実際に格ゲーが使用する帯域としてはせいぜい 500Kbps (0.5Mbps) もあれば足ります。
  • 実際の対戦は 1:1 の通信となり、データのやり取りとしては自分の家から対戦相手の家を往復するかたちとなるためです。 スピードテストはインターネットに公開されているサーバに対してアップロード・ダウンロードの速度を測るためのものであり、これが良いから誰とでも上手くいくとは限りません。 スピードテストの結果が良い = 偉い とかではないので、マウント取るのはやめましょう。
ルータからハブの接続は問題にならない
  • 家庭用のものだと、ルータやハブは 1Gbps しか流せないものがほとんどです。ハブを接続するときは、ギガビットに対応しているものを買いましょう。 ほかに PC が繋がっているのであれば、それらの帯域も考慮する必要がありますが、 流れるデータが 1Gbps 超えていなければ問題ありません。ハブからさらにハブを接続するのも特に問題ないです。 ただしループするような配線をしないように気をつけましょう。ちなみにスイッチングハブを通すことによって増える遅延は 0.007 フレとかなので無視できるレベルです。
ゲーム中は他の機器の通信をやめる
  • インターネット宛の帯域が十分に足りていれば問題ないですが、ゲーム機が優先的に通信できるための配慮が必要なこともあります。配信すると調子が悪くなるようなら配信は避け、同時に動いている PC なども何かしらダウンロードしているならゲーム中は止めるべきです。
5-10 年以上前のネットワーク機器を使わない
  • 古いものはパケット転送能力が現行品の標準以下だったりします。今の時代にあったルーターを使用しましょう。基本的にネットワーク機器は新しいものが良いです。
  • そもそもルータやハブが古かったりすると 100Mbps しか流せなかったり、稼働時間で性能が低下する(再起動すれば復活する)こともあるので、5 年前くらいのものなら捨てて新しいものを買いましょう。
二重 NAT は最悪なのでやめること(多段ルーターなどともいう)
  • 遅延の増加、NAT タイプが最悪になったりするなど様々な問題が発生するのでやめましょう。(そもそも二重ルータだと対戦できなくなる気がする) au ひかりとか NURO 光は、光ファイバーが挿さっている機器が既にルータとして機能するので、更にルータを買って接続する必要はありません。 NTT のものも最近そのタイプのものが多いと思います。
どうしても無線 (Wi-Fi) でやりたい場合に工夫すべきこと
  • 無線の通信は、「誰も通信していなければ自分が通信する」という仕組みのため、有線接続のように一定量のデータを絶え間なく流し続けるということは原理的に難しく、どうしても詰まる(一瞬の待ちが発生する)ことが起きてしまいます。 そんなこと言っても iPhone とか PS4 とか全員通信できているように見えますが、「空気を読んで誰ともダブらないように電波を流す」みたいなことを超短い時間で細かくやっているからです。(CSMA/CA という通信方式)
  • もしも隣の家の Wi-Fi と、PS4 が同じ周波数を使っている場合、上記の「誰ともダブらず通信する」というのが困難になり、いわゆる電波が混み合っている状態ですので、速度が遅くなったり詰まったりします。

なので…

  • 802.11ac を使う (電子レンジや蛍光灯などから出る電磁波の干渉を受けない 5GHz 帯の電波を使う)
  • 電波をスキャンして、誰も使ってない周波数(チャネル)に変える(自動でやってくれるものもある)
  • チャネルを束ねて使用しない (1733Mbps とか無駄だし逆効果なので 20MHz にする)
  • 無線 LAN ルーターとは PS4 だけ接続し、ゲーム中は他の機器の Wi-Fi はオフにしておく (PS4 に電波を使わせてあげる)

といった対応を取れば無線でもマシになる可能性はあります。

今ある環境をどうにかするには
  • ルータの電源を入れ直して再起動する